神様のラーメン屋/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
いスープを一気に飲み干すと、もう何も望むものはなかった。
気がつくと、友達の丼もほとんど空になっている。
すっかり満足げな笑顔をしていた。
そこでふと、ぼくは、小さい頃のことを思い出した。
あれはいくつのころだったろう。
親が転勤で、家族全員で北海道にいた頃のこと。
引っ越してすぐ、幼稚園に入ったんだった。
そこですぐ、同じ組の、やーこちゃんに恋をした。
思えばあれが初恋だった。
やーこちゃんは色白で丸顔のかわいい子だった。ぼくはみんなにからかわれながら、いつも一緒に帰っていたっけ。
公園でブランコしたり、かくれんぼしたり、そうだ、おままごとではいつもぼくが
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