神様のラーメン屋/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
くが、やーこちゃんのつくってくれた砂の料理をすぐこわしてしまって、よく泣かれたんだったっけ……。
やーこちゃん、今頃どこでどうしてるのかな……。
「おい」
友達に声をかけられて気がつくと、ぼくはいつのまにか顔を涙で濡らしていた。
「泣くほどうまかったっケ?」
そういう、友達の顔も涙でぐしょぐしょだった。
おそらく彼も、同じような事を思い出したんだろう。ぼくは素直に言った。
「うん、なまらうまかったー」
「じゃ、涙拭いて出よっかヨ」
おしぼりで涙を拭き、勘定をはらって外へ出ると、ぼくらは店の看板を見上げた。
「なるほどー、この店で食べると、なつかしくてせつない事を思い出すんだわねー」
「そうよ、おかげで食べたあと、なまりがとれなくなるんだヨ」
「あーあ、ハルヒの同人誌取りそこなったわ」
「こんどとらのあな一緒に行こっかヨ」
そう軽口を叩きながら、ぼくらは、懐かしい思い出をくれたラーメン屋の看板をみて、また来ようと誓うのだった。
そのラーメン屋さんの看板には、こう書いてある。
ラーメンはなまる
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