神様のラーメン屋/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
いいから食べてみなって」
「じゃあ、お前を信じて食べてみるよ」
促され、ぼくはまずスープを一口すする。
瞬間、合わせ味噌のやさしい風味が口の中に広がった。
今までに体験したことのない、なんとも言えない穏やかな気持ちが、ぼくをたちまち浮遊させる。
「……!」
次にズズッと麺をすすると、今度は口の中にプルンとした食感が踊り、一口噛むたびにやさしくて、それでいて歯切れのよい弾力がぼくの脳を刺激していく。
──うまい! うますぎる!
あとは二人とも、食べ終えるまでひたすら無言だった。
たちまち丼のなかの麺は、吸い込まれるような勢いでなくなっていく。
麺がなくなり、熱いス
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