七人の話 その4/hon
たのか、と。むしろ、呆れてしまう」
「この屋敷はというと、有線であれ無線であれ、遠隔通信はみんな遮断されているけどね。電話はあちこちにいくつか置いてあるけど、内線は全部不通となっている。声の届く範囲と、金物を鳴らす音が届く範囲までが、俺たちのコミュニケーションの距離的限界なんだな」
「私たちのコミュニケーションの限界」
「ああ、この屋敷の狭さには十分な距離だけど。……それで、考えている、アンドロイドのことを。アンドロイドの構造について考えるとき、機械としての身体と、頭脳である人工知能に二分できるね。機械体の駆動や動力源などの問題は工学の範疇だろうけど、俺はアンドロイドの知能について考えている
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