There Is A Light That Never Goes Out/岡部淳太郎
 
。見つめていると、目が回りそうになる。周囲のものはすべてこんなにも速く過ぎ去っているというのに、なぜ自分だけがこうして時間のない停滞の中にいるのだろうか。そう思うと、とてつもない寂寥感に圧倒されそうになってくる。そして、おまえは空想の路線バスや十トントラックに猛スピードで体当たりをしようと試みる。だが、見えない空気に弾き飛ばされ、力なく路面に座りこむ。それからまた立ち上がり、服の汚れを軽く払ってから息をつく。またひとつ、おまえの息が路上に落ちる。
 それでも光はある。闇の中で、おまえのいる場所を中心にして、光は輝きつづける。ふとおまえは思いつく。なぜ自分は誰もいない道の上に立っているのか。道の左
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