There Is A Light That Never Goes Out/岡部淳太郎
もいない道。何者も通過しない寂れた道。その端におまえは立っている。道の左右は闇の中で何もわからないし何も見えないが、どうやら世界中のあらゆるものが高速で過ぎ去っているらしい。おまえの思い出も、おまえの知らない誰かの思い出も、すべての想念がとてつもない速さで道に沿って通り過ぎていく。おまえの知るはずのない、世界のあらゆる知識や感情。それらはこの世界に存在するのがおまえだけではないことを教えてくれるが、ただそれだけで、おまえとそれらのものがどうしたらつながることが出来るのか、その答や方法を教えてくれるわけではない。ふと頭上を見上げると、空の星ぼしも北極星を中心にしてぐるぐると高速で回りつづけている。見
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)