暗闇の色味を塗り分ける(決して塗り潰すものではなく)/ホロウ・シカエルボク
系の薬の様に俺の脳髄に気だるいフィルターを差し込んだ
甘い世界は夢の中
おお
現実感が嫌な色味の糖分に犯され始めてるぜ
飢えた蟻が目ざとく匂いを嗅ぎつけて
俺の身体を這い回り進入口を探す
生きることしか考えていないやつらは食いもんにかけちゃ滅法強い
それがおぞましい光景だなんて思いつきもしないんだろうぜ
俺は好きにさせてやる
夢が覚めればこの蟻もそっくり居なくなっちまうんだろう
感覚は不在を誤魔化すために在るのかもしれないな
冬に掻く汗のことを考えたことがあるか
冬に掻く汗には封をして置くべき事柄が詰まっているんだ
冬に掻く汗はどこかに流れ去ってしまうという認識すらな
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