暗闇の色味を塗り分ける(決して塗り潰すものではなく)/ホロウ・シカエルボク
 
らないから
落し物の様にそいつらのことを忘れることが出来る
本来冬は汗を掻くべき季節ではないのだ
秘密裏に処理されなければ
神経がショートしちまうような出来事だってあるだろうさ
探さないほうがいい
気付かないほうがいい
何のために秘密があるのかってことについては考えすぎるほど考えてみたほうがいい
忘れることが出来なければ人間はおかしくなっちまうそうだぜ

雨戸を閉めたら確実に孤独になれる気がしないか
それは部屋の中に確実な暗闇が出来るからなんだ
俺たちは自分で思っているよりもずっと
感受性ってやつを存分に振りかざしているのさ
孤独ってやつは誰が考えたって
きっと黒に近
[次のページ]
戻る   Point(2)