暗闇の色味を塗り分ける(決して塗り潰すものではなく)/ホロウ・シカエルボク
 


凍えた指先にへばりつく意地だ
壊れた玩具に染み込んだ過去だ
廃れた音楽に閉じ込められた未来だ
硬く閉じた唇の中で四散した言葉だ
数えた死体の数は歳の分だけ
逃した獲物の大きさは身の丈と同じくらい
ここに無いものを真実と呼んで生きさらばえてきた

血の中に錆が混じる気がする
やがて全身を侵食していくんだ
すべての関節が濁音を交えて起動し始める前に
鼻先にぶら下げられた人参の様なこの断層を飛び越えることが出来るのか?

明日の朝はより寒くなる
明後日の朝は雪になるかもしれない
上空に寒気団が留まっている
だけどやつらはその気になればいつでもさよならと言うことが出
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