腐乱同然、レディゴー・ベイビー/ホロウ・シカエルボク
 



照明を落としてフロアーに転がり
腐乱死体の真似をした
ずるり、と
眼球が零れ落ちたときには
なんだか満たされた感じがしたぜ
そのまま灰になり
真っ白い骨格になったころ
携帯に仕込んだアラームが鳴り出す、ああ、そうだ
今日は誰かに誘われていたんだった、でも
すぐには思い出せない程度の相手だ
気にするようなことでもない、電話が鳴る、少し早いんだけど―
『少し早いんだけどさ、もう、みんな集まってるからさ…早めに出ておいでよ』
ああ、悪いねと俺は言う『仕事が長引きそうなんだ―行けそうだったら連絡するよ』
判ったと言ってそいつは電話を切る
俺のことを信じているかどうか
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