『Lighter Righter Writer』/東雲 李葉
 
れられそうで届かない距離。此処ではない何処か遠くへ。
淡い記憶は消える事無く、ただそこに淡いままで在り続ける。
けれどあの時感じた想いや気持ちは、
色濃い光を放ちながらもやがて薄らいでいってしまう。
その儚さに耐え切れないから人間は自分を遺したがる。

すべてが言葉を媒体に永遠の命を求めている。


不可能だと分かっていてもそう簡単に諦められない。
僕らはこんなに揺らぎ易い存在。
すべてを欲し消えてく何かを繋ぎ止めても、
「初めから何も無かった」のだと思い込めば、
簡単に、大切な面影さえ傷付く前に手離してしまう。
だけど、どんなに遠く儚くとも僕は夢を求めていたい。

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