餓鬼を切り刻め/ホロウ・シカエルボク
ら
ただ飢えていただけのものは死んでも飢え続ける、なぜ、飢えていたのか
そのわけを知ろうとすることを試みなかったせいだ、俺の胃袋にも餓鬼は潜んでいる、餓鬼は余計なものばかり喰いたがる、しかもその中に詩になりそうなものはひとつまみもありはしない
だから俺はこれを考えずに書いている、もちろん時々手を止めるところもあるけれど
それは書くために考えているわけじゃない、それはちょっとしたリズムの調整みたいなものなのだ、全身がタイプライターになる感じって判るかい、半ば適当にリモコンで指先をあちらこちらに操作されてるような、そんな感覚を楽しんでいるんだ、そこそこ、餓鬼ほども重くはない程度に飢えながらね
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