七人の話 その3/hon
 
ざという時にけっこう肝がすわっていて、頼りになる男である。しかし、彼は、自分が出て行った後、屋敷に残るべき貴重な男手であり、一緒に連れて行くわけにいかない。出て行った後、グループは分離したまま、再会できないかもしれない。最終的に、それぞれのグループで、子孫を増やす必要に迫られることは十分考えられる。男女はバラけていた方が良いのである。
 下の小さい子ら、睦夫と奈々子は、もちろんまだ体力的に同行は難しい。となると、パートナーは志穂子か小遥のどちらか、あるいは両方、ということになる。
 志穂子は、やっぱり無理であろう。もともと体の丈夫な方ではなかったが、基礎的な体力をつけるべき時期に、部屋にこもり
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