七人の話 その3/hon
もりきりで、ほとんど運動をしていない。彼女の体力では、過酷な世界についていくのは厳しい。おそらく長期的なリハビリのトレーニングが必要なのである。その前に、まず部屋から出てきてもらわないといけないのだが。
そうなると、小遥しかいないのである。その結論を、実のところ、秀人はかなり以前から考えていた。“前庭”で行っている日課の運動に、彼女はほとんど欠かさず参加しており、健康面にも不安がない。もし、“かの日”がやってくるならば、自分のパートナーは彼女こそがふさわしいだろう。つまり秀人は、くるかもしれない時にそなえて、なるべく意志の疎通を図っておこうと、彼女と一緒に作業する時間を増やしているのである。
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