七人の話 その3/hon
 
来居住スペースとして使うことも考えられるので、念入りにチェックする。
「もうすぐブレーカー・デーね」と、皿を洗いながら仁乃は言った。
「十日後だっけ」
「ええ、今からちょうど十日後。今年もごちそうを作るわ。いつもの倉庫の材料だから、程度は知れているけどね」
「なんだか、嬉しそうだな」
「ええ、それはもう。記念日なんだもの。数少ない私たちの記念日よ。誰だって記念日くらいは、楽しむものじゃない?」
「そういうもんかね」
「そういうもんよ」
 そういうもんだろうか? と秀人は思う。
 ブレーカー・デーは、あまり全員にとって良き思い出の日というわけでもないであろうに。
 そこへ充が、空
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