七人の話 その3/hon
ことが、彼にとって行動の是非を考えるということに他ならなかったのだ。
しかし、大枠の方針において、根本的な問題はないように思えた。つまり、自分が小遥を指導し、充が志穂子を指導するということだ。全面的に、充に志穂子を押しつける形になるので、多少心苦しいが、これが七人にとってベストになるはずだ、と秀人は思っていた。充ならやれるだろう、という目算もあった。しかし、もうひとつ充は志穂子に踏み込もうとしない。その点、しっかりしてくれよ、といつも思っていた。
それはそうと、三日前に現れた『幽霊列車』は、これまでの思惑を全て根底から覆してしまうものだった。よもや、『外』の世界の方から変化がやってこようと
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