服部剛 その詩と人/岡部淳太郎
りに
照らされた机に向かい
すれ違うこともないだろう
百年後の誰かに手紙を書いた
(「宛名の無い手紙」)
(http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=138852)}
このような一種の「善意」で彼は詩を書いているが、それが「善意」であると信じこみすぎるがためにそれが悪い意味に取られてしまうかもしれない可能性について彼は盲目になってしまっている。「百年後の誰かに」善意の「手紙を書いた」としても、それを大きなお世話であると思う者がいないとも限らないし、善意を根底にして書きつづけるのは一種の偽善でありそれは悪意よりももっと性質の悪いものだと思う
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