服部剛 その詩と人/岡部淳太郎
の切り取り方はうまいものの、その先に伸びていくものが見えない。「人さし指を/まっすぐのばす」という「選択」の後に待つものが見えない。情景を切り取っただけなのだからそれが見えないのも当然なのかもしれないが、「選択」をしたのはいいが、それでどうしたというか、「選択」をしただけで作者が満足してしまっているような、そんな雰囲気が詩行の間から見え隠れしているようにも思える。
また、この詩に限ったことではないが、彼は自らが理想とする「詩」に忠実なあまりそれを語るのに急で、無意識のうちに視野が狭くなっているようなところがあると思う。
{引用=藍色のカーテンを
閉め切った部屋で
スタンドの灯りに
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