服部剛 その詩と人/岡部淳太郎
人さし指を
まっすぐのばす
(「『 降車ボタン 』」全行)
(http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=116923)}
この詩などは実にうまく情景を切り取っている。バスの降車ボタンを押すという日常的な行為を「『今日を生きる』/という一つの選択」に転換させ、さらにおそらくは「尖った爪を、切」ることでその「選択」が「人のこころの曇り空に/おぼろな日輪があふれるよう」、つまり出来るだけ他者の心を傷つけないように、他者の心を暖かくするような方向に向くようにと心がけてもいる。作者のそんな心理が誰にもわかりやすい形で表面化されている。だが、情景の切
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