服部剛 その詩と人/岡部淳太郎
 
のお風呂場で
( 曲がった背中の数々を
( 汗を流して磨いてる

棚の上から落ちたような
予想外の秋休みに小道を歩く
「何者でもないわたし」

 くるっくっく

振り返った
背後の空の遠くに消えた
あの鳩の言葉のように
「訳せぬもの」
がこころにふくらむ
秋の午後
高い空から
街路樹の枯葉とともに
降りそそぐ
(風のうた)に立ちどまり
わたしは胸に
手をあてる

(「秋休み」全行)

http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=137598)}

 これは僕が個人的に彼の近作の中でもっとも評価しているものだ。こ
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