「 コワレ。 」/PULL.
 
とは違っているのだった。
 ある夜、男が入ってきた。男はぎこちない手つきでほどこし、もぐり込み、しばしの後、果てた。生ぬるい感触を残し、入ってきたときよりも小さくなって出た男は、か細い声で、あいしてる、と言った。意味が解らずにいると、男は見掛けによらぬ強いちからで抱きしめ、また、あいしてる、と言った。あいしてる、あいしてる、男は、飽きることもなく続け、息ぐるしいほどのちからで抱きしめ、また、入ってくるのだった。わきゃ、わきゃっ、まわりではわたしが踊り出し、交わりの中をぐるぐるとまわり、まわり、踊り続けた。
 踊りは、朝まで続いた。
 その夜以来、男は毎晩のように、入って、きた。ときには、こち
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