「 コワレ。 」/PULL.
 
日が暮れて眠くなるまで、縦に横に、ひっぱったりのばしたりして、遊んだ。ひ孫たちは無邪気で、残酷で、まだ何も知らぬ、いたいけな存在であった。ひ孫たちは皆、大きな目を目をさらに大きくして、こちらを見る、ひいおばあちゃんどうして違うものなの、いつから違うの、コワレちゃったの、どうしてずっとコワレているの、と矢継ぎ早に言う、答えずにいると、その小さい手で、ねえどうして、どうして、と上に下にわたしをひっぱり、飽きると、つまんない、と投げ捨てる、そしてしばらくすると、また、わたしを掴み、右に左に振りまわし、ひいおばあちゃんはどうしてひいおばあちゃんなの、おばあちゃんはみんな死んじゃったのに、どうしてひいおばあ
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