初旬、二七日/鴫澤初音
 
を押しつぶしていったのか 考えていた


 生きれば 生きるほど 苦しかった

 心が どこにあるのか 知りたかった    
     
                        泣いて


 叙情って何

 お揃いの服を着ていた昔 男も女もなかった
 誰もが誰かを好きでいて 些細な事も 軽く過ぎていって
 風をきって 駆けていて 初潮も夢精もなかったって
 知ってた? 
 あれほど真剣だった想いがどうして消えていくのか
 わからなかった
 愛が滑り落ちていく 猫が死ぬみたいに 悲しくなかった
 いつも ただがっかりして 終っていった


「愛って
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