同病相哀れむもしくは/亜樹
つけた特性は、特性でもなんでもなかったということを。
薄々は、気づいていたのだ。
けれど。
けれど、と思う。
これが、単なる責任転嫁であることを、承知で、思う。
ならば、なぜ、そのことを諌めてくれる大人がいなかったのか。
そんな風に生きてもたのしくないよ、と。
つまらない大人になってしまうよ、と。
私が言われたままに掃除をしているときに、私が言われたままに宿題をしているときに、私が息を潜めて本を読んでいたときに、私が自分で考えることを放棄していったときに。
誰か、一人。
止めてくれればよかったのに。
実際は、親も教師も、『真面目でいい子』な私を褒めてくれただけだった。
私は
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