同病相哀れむもしくは/亜樹
 
馬鹿だ、というのは友人一同の見解だった。
私は受からなかった。
それもまた、相応しいような気がする。
面接練習の際、試験官を演じた教員は言った。
それじゃあ、受からないよ、と。
近頃は、コミュニケーション力だとか、人間性だとかいうものが、何より重視されるのだから、と。
それから彼は、いかに私の受け答えがなっていなかったかということを、切々と説いた。
採用試験の、2ヶ月前だった。
薄々と、気づいてはいた。
六年と三年と三年と四年と、そんな風に区切られた学校生活の中で、私が築き上げてきた長所、『真面目でいい子』は、何の価値もないということを。
何の価値もなかった私が、どうにか見つけ
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