三日月の夜、フーリガンとエクスタシーが相対するセミダブル/ホロウ・シカエルボク
 


薄暗がりにぼんやりと浮かぶお前のシルエット
 振り切れそうなフーリガンが俺の中で騒ぎ出す、堤防は決壊
濁流の中に投げ出された思春期の残り香がもがきながら見えなくなっていく

 あらしの夜に正直な野獣は咆哮するんだ

ベッドルームにはすでにその香りが充満している、これ以上の
 これ以上の駆け引きはもはや茶番というものだよ


 ゆっくりと引き抜いたピアスをサイドテーブルに置いたら狩りの合図だ


お前の草原の息吹で俺はゆっくりとした覚醒の渦に身を捧げ――
 そして繰り返されるリズム、死神の鎌のような冷たい三日月が覗く窓の側で

アンチ・クライストな小人が
 
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