奇妙なサンクション/捨て彦
 
顔が嘘みたいやろ」
「うぅ・・・・・・ほんまやね・・・・ほんまや、えらい幸せそうにちえがわろてる・・・・。私、ほんま久しぶりにあの子のあないな顔見たわ・・・・」
「ほんまやなぁ。ああ、良かった。ほんまに連れてきて良かった。いや、あのな、さっき新星堂にCD買いにいったやろ」
「うん」
「そのときな、おれな、ほんまにもう、無我夢中で走ってたんや。もう、そんなもん、病院の中やろうと関係あらへん。うちの可愛い姪の命がかかってんのや。おれはもう、ほんまに死に物狂いで走ったんや。ほやけどな、今考えると、そら、恐ろしいなって思うけどな。おれな、外でももう、ほかの何も目に入らんとダッシュして新星堂目指した
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