奇妙なサンクション/捨て彦
 
したんや。ほやから道路もなんも関係あらへんようになってたんやな。そんなもん、自分から事故ってくださいゆうてるよなもんやで。」
「あんった、何やってんの。子供助けるために自分が死んだら元もこもないやないの」
「ほんまにその通りやねで。ほやけど、そのときのおれにはほんまになんも見えなんだ。それでな、案の定、車が飛び込んで来たんや」
「なんやてッ」
「いやいや、安心しいな。おれここにちゃんとおるがな、死んでへんで。いや、おれもそのときは一瞬で我に帰ってな、ぶつかる寸前はほんま冷静になったよ、あぁ、やばい、しくじったってな」
「はぁ、・・・・・ほんで、どないなったん」
「その突っ込んできた車が
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