七人の話 その2/hon
ど……でも、なんとなく分かるわ。これはバラじゃないかって」
「この屋敷には、俺たち七人以外には、なんら生命は存在していない。小さなつまらない虫ぐらいなら、いくらかいるけど。そういうことだったよね。だけど、もし、ここにあるのがバラの花ということならば、これは……シホが目覚めたら、その辺は訊いてみればいいさ」
「そうね。でも、シイちゃんの様子が落ち着くまでは、あまり余計な詮索をするのは控えた方が良いと思える。気持ちを刺激して、苦しめてしまうかもしれない。ハルちゃん、あなた、何か知っている? ここに散らばった花びらのようなもののこと」
「え……ええと、わたし、わかんないや……」小遥は急に困ったよう
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