個人の「経験」から世界の別の顔へ/岡部淳太郎
るのではないかと、そんなことをぼんやりと思っています。
僕のコメントへの反論コメントの中で冷やしこの夜さんは「その体験が本人にとって重大ならそれはそれで中心にそえてもいいじゃないの」とも言っていますが、まあそりゃあその通りだろうと僕も思います。もともと僕はそうした立場を否定したつもりはないし、先ほど書いたようにそうした立場に対して別の道を示したいというだけなのです。この『現代詩フォーラム』の中でも知っている人は知っていますが、僕も他に換えようのないぬきさしならない経験を持っています。それをいくつもの詩や散文にしてきました。だけど、ある時から心のどこかでその「特異な経験」にあまりにも頼りすぎじゃ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)