詩集に纏わるエピソード (2)/深水遊脚
のかもしれない。
(引用 伊藤芳博『家族 そのひかり』より)
物を食べ 排泄する
生きるとはそういうことだ
そういう大切なことに
父の介護に生きている母の横にいて
やっと気づく
(中略)
ウンコと言ってウンチと言ってごまかしても
小便大便は
最後まで人の証だ
今日はなんとか大便が出たよ
喜ぶ母の横で
僕は父を支えている
一日が過ぎる
幸せ
(引用終わり)
伊藤芳博氏の詩集『家族 そのひかり』には家族とのエピソードが頻繁に登場する。家族ほどの濃厚な繋がりともなると、小便や大便の話もごまかせないし隠せない。はっきりとそれを取
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