アデン 一/soft_machine
もあったし、雨をふらせてまっ黒な雲もあった。燃えてるビルのうえを、カラスや、見たこともないきれいな鳥が飛んでいた。僕もいた。犬がいたしねずみだっていた。ラクダとぶたとコウモリとぜんぶいっしょにたくさんの花が咲いたり枯れたりしている中を走ってく、暗いおかの森のとおくに海がひかってた。それを男はひだり手に持ったたくさんのほかの棒ととり変えとり変えかえしながら、さきっぽの青や黄いろや灰いろでつくったりこわしたりしている。すると赤い線はいつのまにかまん丸いリンゴになってはだかの男のあしもとに落ちて、ずるそうな猿が見ている。はだかの男は青いりょう手で顔をおおって泣いてるように歩いてるけれど、指のあいだからみ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)