アデン 一/soft_machine
 
たふすまからにおいがもれてくる、もうひとつ奥の部屋に歩いていった。
 その部屋に入ったしゅんかん、これはひき返えそうって思った。ほんとにすごいにおいだったんだから!
 キバはぎゅーってちぢんでベロもひりひり、目はチカチカしてぜんぶの毛が針金みたいにとんがった。ツメの先っぽまでそのにおいでいっぱいになったみたいで、逃げ出そうとしたんだけどあたまもくらくらしたから、つい、その場にすわり込んじゃったんだ。からだを動かしたら、よけいくらくらしそうだし、もうおなかが減ってることなんてわからなくなった。しばらくじっとしておこう、そう思った。けれど不思議なのはそうしてほんのちょっと頭をさげて休んでただけなの
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