Don't Tear Me Up/ホロウ・シカエルボク
 



君は凄く不器用で
僕の手を借りなきゃ左手の爪も上手く切れないような娘だった
だけど不思議なくらいこころに届く微笑みを所有していて
触れると指先からラベンダーの香りが流れ込むような娘だった

僕は自分では結構上手くやっていたつもりだったけれど
周りから見ると幾つもヘマをしでかしていた
約束についてこない現実なんかその際たるもので
投げ出したくなる気持ちを抑えては笑い返したものさ

あれからどれだけの日々がゴミ箱に落ちたんだろう
カレンダーのしるしはいつからか忘れられたまま
ついつい飲みすぎてしまう珈琲や窓越しの光の向こうに
何度君の姿を探せばこの先にいけるのだろ
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