パパはロボット/済谷川蛍
 
男が立っていた。彼は私に飛びかかってきた。私と男は手を組み合った。私は腕に力を込めた。すると男の手がボキボキッと鳴って「あ゛っ」と男が絶叫した。私は一瞬何が起こったのかわからなかった。男は腕を損傷したようだった。男は激昂してポケットからナイフを取り出し、それを私の胸に突き刺した。しかしナイフはポキンッと音を立てて折れた。私と男は同時に驚いた顔をして、男は逃げ出してしまった。私はただ呆然とそこに立ち尽くした。

 パトカーが三台家の前に止まり、赤いランプがクルクルと近所に照り映えた。
 息子たちも起きてきた。私は妻に子供を任せ、警察に当時の状況などを説明した。警察の方々に私がロボットである
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