パパはロボット/済谷川蛍
 
時。仕事の整理。爽快なほどスムーズに計算ができる。超人になったような気分だ。これでまずリストラ候補から外され、長いこと意識しなかった昇進の道さえも見えてきた。

 午後十時。ふといつもの習慣で風呂に入りたくなった。しかし私のボディーでは風呂には入れない。完全防水タイプはあまりに高価だったからだ。シャワーくらいなら安心だということだ。昇進して予算に余裕が出来れば、もっと人間らしいボディーに変えたい。

 時刻不明。私は睡眠(充電)モードに入っていた。しかし突然、家の防犯センサーが、私の内部に搭載されている防犯装置へ緊急信号を送った。私はパッと目が覚めた。そして戦慄した。部屋に見知らぬ男が
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