特別であり普通である私たち/岡部淳太郎
ドラマの中に、ゲスト登場人物が語るこんな台詞がある。「人はみな特別な存在です」(注:『ウルトラセブン』1999最終章6部作第5話「模造された男」より、カネミツ・ユタカ(演・河西健司)の台詞。(脚本/右田昌方、特撮監督/満留浩昌、監督/高野敏幸、製作/円谷プロダクション・VAP、一九九九年))。この言葉を足がかりにして、考察を進めてみたいと思う。この言葉をドラマの文脈から引き剥がして、単なる言葉として見てみる。「人はみな特別な存在」とはどういう意味だろうか。みんながみんな特別な存在になってしまったら、社会生活は立ち行かなくなってしまうのではなかろうか。
世界には数え切れないほど多くの人間が生きて
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