七人の話/hon
 
ンに書いてあるもの。でも、知ってるだけ。知ってるのと分かるのは別のこと」
「ああ、一度でいいから。じかに見てみたいな、青い時代のその当時の……頭の上がなにもかもぜんぶ青い世界。まるで想像もつかないひろがりの、果てしない永遠の深みまでつづく青く澄んだソラ、ソラ、ソラ――すいこまれる。こわい。足もとからは見わたすかぎり緑の草原がひろがって、ひとつひとつそよ風にゆられている。きっと、くらくらする。立っていられない。でも、ぜったい、きもちいいんだ。ぜったい。そこは、こわいけど、肌ざむいけど、きもちがよくって……」
「そして、ソラにはトリがとんでるんだよ。なぜって、トリはソラをとぶものだから」
「トリ
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