瀬賀/リーフレイン
 
どもの手にかかったやもしれぬと思はば、
     父は嬉しくも心凍る思いにて候。 
     涙を止めることかなわぬ候。」

    「父上様、ご安心くださりませ。 
     父上様、笑ろうてくださりませ。
     瀬賀は一つも変わることなく、ここにございまして候。
     毎夜、父上様の苦労を想いて、流しておりました涙、
     さても、かようにお元気な父上様のおん前にて、
     日の光にあたった如く乾きまして候。
     父上様、赤穂は秋になりまして候。
     父上様、赤穂の銀杏を炒ってまいりまして候。
     父上様、赤穂の柿を持ってまいりまして候
[次のページ]
戻る   Point(2)