瀬賀/リーフレイン
ても父小波、遠江に召し置かれたまひ、久しく御下りも候はぬところに、重ねてつづる便りの返事もさらにうつつ、このたび自らおん迎ひに上り候。}
「この程の旅の衣も着けぬまに
とくはやく 着きにけり、
とくはやく 着きにけり」
赤穂の宿より瀬賀が上りたる由、それそれおん申し候へ。
遠江ノ長「小波、こなたへ申し候。」
「父上様、瀬賀おん前に参りまして候。」
「瀬賀よ、一人で参ったか 母上に申して参ったか、
道中、難儀をせなんだか 誰ぞ迷惑をおかけせなんだか、
嗚呼、万が一にも
心悪しき者ども
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