月下美人の恋/榊 慧
 
指摘されて悲しかったわけじゃなかった。
悔しかったわけでもなかった。
かと言って、嬉しかったわけでもない。

色んな思いが入り混じって。



何の魔法も持たない私が、どうしてその運命を変えられる?



私の言う通り人間は愚かよ。


叶うはずもない恋心に心を乱して。

身の程知らずとは分かっているけれど。

身の程を、知らないわけじゃない。

知ってなお、じゅうぶんなほど、思い知っているのに、

それでも想わずにはいられない、

そんなあなたたちを、無情だなんてどうして言える?
(だって私も同じだから。)



寿命を奪われても、あな
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