欅通り/hope
と歩きたくないときだってある。なにもかもを投げやりにしてしまう程、あたしは強くはないわ。夢を見続けるコトに疲れてしまうのは、いつだってあたしの方が先だから、だから、もう、目を閉じるのは辞めたの。
目の前に横たわる見えない何かは、いつだってあたしたちを不安にさせるけど、見上げれば、そこには必ず空がある。
「憶えてる?」
あなたが教えてくれたんだよ。
そんなコトはとっくに忘れていた。
見上げれば星空は雲に隠されていて、欅の枝葉と椋鳥たちの騒音が、更にそれを覆い隠している。
いろんなコトをなくして、いろんなコトを憎んだ。
何もかもを隠してくれたほうが、不安な気持ちを少しだけ誤魔化せ
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