最後の手紙は出口から届くだろう/ホロウ・シカエルボク
ん今週中に放出されたそれの分量を目測している
シャルロット・ゲンズブールが気まぐれにリリースした新しいアルバムを
あのひとの新しい住所に届けてあげたいのだけど
見慣れた字体が封筒に記されてあるのを見たら変に思うかしら
覚えているはずの年代もののタイプライターで
ふたりだけの暗号のような文面を築こうかしら
わたしがなにも見ずに過ごしていたあいだに壊れたパキラは
それでも何かを必死で支えようとしているように見えた
そんなさまに促されたわけじゃないけど、やっぱりアルバムは送ってあげよう
明日か、明後日か
もう少し冷静に物事を考えることが出来るようになってから
新しい住所
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