きっと鈍痛のほうがより涙を流せる/ホロウ・シカエルボク
ディスプレイの前で綴りを思案してたら
いつしか祈るみたいに手を合わせていた
神には
俺の欲望の種類は上手く分類出来ないだろう
と言って悪魔には
それがどういうものか見ることも出来ないだろう
かと言って近しい誰かが
それをそういうものだと理解出来るだろうか?
そもそもが俺自身
それがどういった種類のものなのかろくに判断がつかないのだ
窓ガラスに映った顔だけがいまだほくそ笑む
聖書の言葉で誰かを呪おうとしているようなそんな気分
伸びをしたら『求めるな』と言わんばかりに心臓の辺りが傷んだ
言え、言え、言え、言えと
同じような違うような切迫感ばかりを突きつけてくる白い画面
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