きっと鈍痛のほうがより涙を流せる/ホロウ・シカエルボク
面
ごたまぜのカオスの死骸が腐敗して悪臭を発したりしないように
周期的にいくつかの血をセオリー抜きで投与しなくてはならない
それは処置と言うよりはもはや儀式だ
それは処置と言うよりはもはや儀式に違いないさ
時々
口腔に溜め込んだ涎をうまく飲み込めなくて
鼻腔と交わる辺りに不愉快な違和感が始まる
ステーキナイフでスパッとした違和感を作ろうと目論むときの
指先に感じるギザギザの振動と同じ違和感さ
それははなからお門違いって類のものなんだ
生き急ぐなんて言葉を使いたくなる瞬間があるときには
詩など書かずにユーカリのオイルでも焚いて眠るべきさ
そんな気分は残しさえしなければ
明
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