ドア/hope
照らす灯りがぼんやりと淡く
明るくはない だって空は雨で、今日は火曜日で、今は十月で、夜が始まる少し前
僕は帰り道の途中で迷子
今日のような風景にはモノ悲しい風景がお似合いで、そんな風景の中に溶け込んでしまいそうな僕が、僕は怖い
照らす灯りがぼんやりと淡いのは、本当は僕のせいで、だから目の前のドアを開けて誰かの足跡を探してた
(もう帰らなきゃ)
はしゃぎすぎた君が背中を丸めて押し開けたそドアの向こうは、なんだかモノ悲しい風景で、吐く息が暗闇に溶けて染み渡るような雨の夜だった
見上げたその先に忘れてしまいそうな黒い空が、ぼんやりと淡く暗闇を
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