ドア/hope
 
闇を輝かせていた
だから君は見覚えのある足跡に気づけなくて、それを綺麗に踏み潰してしまった
暗闇が好きになれない君は、やっと探り当てた【灯り】を優しく灯して、そして、目を閉じた
見つけたから目を閉じた
見つけたのに目を閉じた
閉じたままつぶやいた

(ただいま)





酷い夢で目が覚めた
部屋にはドアがひとつだけ
今日も無音が響いて、耳の奥に残ってるの
明るくはない だってきっと空は雨で、きっと今日は火曜日で、きっと今は十月で、きっと夜が始まる少し前
こんな風景があったんだ…って、きっと世界は気づかないまま終わってしまうのね
きっと今日もドアは開かないわ
それでもいいと思った
それでもいつか誰かに言ってあげたいと思い続けているの

(おかえり)

って



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