映画日記、ただし日付はてきとう/渡邉建志
 
う見てしまった。だからもう、おしまいだ。完璧なものをみてしまった。自分の到達し得ない完璧をみてしまった。)
人生で一番好きな映画が、2つになった。ビクトル・エリセ「エル・スール」は何回も見たいけど、「マザー、サン」は何度も見たいとは思えない(なぜならこれは、「この世の果て」なのだから)。凄まじいとしか形容しようがない。誰かが言っていたけれど映画の前に言葉は無力だ。まさかソクーロフがこんなものをつくるようになるとは思わなかった。いつもどおり手法は前衛的かつ禁欲的なのに、同時に(!)分かりやすく圧倒的に美しい。
さて、これ以降のソクーロフを見ていると、どんどんカラフルになっていくし、どんどんわかり
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