映画日記、ただし日付はてきとう/渡邉建志
ロフ「マザー・サン」
天才、をもはやこえてしまった。世界の終わりを見た。本当の世界の果てを見た。凄い。(足りない。)凄まじい。
この時代、あれだけ映画は死んだと言われ続けながら、こんなにも真に本質的で同時に前衛的なものを撮ってしまえるなんて。あたしはどうすればいいのか。映画の後半、30分泣きつづけた。友人と見に行ったのに、終わってから駅まで、ぜんぜん話せなかった。山手線でも涙目で、しばらく呆然としていた、(追記: 今でさえ、「映画」という一般名詞のことを考えると頭のなかが「マザー、サン」という文字で1000回ぐらい埋まってしまう。あれは世界で一番美しい映画だとおもうし、あたしはその映画をもう見
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