映画日記、ただし日付はてきとう/渡邉建志
 

奇跡の映画。父親の失踪の朝、暗闇で涙を流す少女の回想の映画。言語外でつながっている父娘の記録。父の閉じた孤独と、それをひしひしと感じる少女の、静かな物語。いちばん好きな映画。しかし、それは同時に、もう見たくないほど辛い映画。レストランでの父との会話のシーンは、孤独を嫌というほど味わわせる。主人公エストレリャの小さい時代の女の子がとてもかわいい。駄々をこねるようなときの顔がかわいい。眉毛やおでこがよく動いて、話している顔を見ているだけで飽きない。同じことが、思春期時代を演じるエストレリャにもいえて、こっちの彼女はあまりかわいいわけではないが、笑うとかわいい。で、なにがすごいかというと、なんとな
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